こんにちは、診療放射線技師の森田と申します。
年もおしせまり、何かと忙しい頃となりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて今回はレントゲン撮影での医療被ばくについてお話したいと思います。
時々、患者様から被ばくの心配をして尋ねられることがあります。
しかし、きちんとした説明にはとても時間が必要なのと、簡単に説明をしてしまうと専門性から解釈すると間違いにもなる場合もありますので、普段は患者様の質問の主旨に気を払って、ピンポイントでお答えするようにしています...
できるだけ退屈にならないよう簡単・簡潔な説明に留め、被ばくについて解説したいと思います。
そして、医療被ばくのテーマについては一般撮影のみの説明に留めます。(CTや上部消化管につきましては様々な視点からの考察があるので省きます。)
放射線による人体への影響には確定的影響と確率的影響がありますが、医療被ばくに於いては確率的影響は普段の生活習慣の因子(※偶発的に発がん)が大きいため、今回は確定的影響のみの説明をします。
確定的影響というのは脱毛や腫れなどです。ある線量を超えると必ず発生し、それ未満だと発生しません。X線量が多くなるほど、損傷の程度も増えていきます。
レントゲン撮影はその1部位にかかる被ばくは約0.1~20msv(ミリシーベルト)程度と言われています。
ミリは1000分の1でシーベルトは放射線防護に使われる単位です。
普段から生活しているだけでも自然の放射線を1年間平均約2.4msvを空や食物等から浴びています。最初に身体的変化がおきる最小限値は500msvです。血管中のリンパ球の減少などが見られます。
普段のレントゲン検査ではその線量に達することはありませんので確定的影響は起こりません。
要約
レントゲン検査で扱う医療被曝の影響はとても小さいので検出(確定的影響)も統計有意差(確率的影響)も確認できません。
医療で使われるレントゲン検査は技術の進歩により被ばく量は減っています、安心して頂いて良いお年をお迎えください。