作業療法士の西野です。
今回は女性にとても多い鉄欠乏性貧血についてお話ししたいと思います。
鉄欠乏性貧血の症状としては、朝起きるのが辛い、顔色が白い、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、胸の苦しさ、疲れやすさ、倦怠感、頭痛、肩こり、吐気、耳鳴り、いらつき、下肢のむくみ、食欲低下などもあります。
貧血の程度が酷い場合、転びやすくなる、冷え性、眠気、肌がカサカサ、抜け毛、爪がもろくなる、匙状爪と言って爪がスプーンのように反り返る、不妊、味覚障害、氷食症(異様に氷などの硬いものを食べたくなる)などの症状も出てきます。
想像以上に多彩な症状があると思いませんか?私はなんと16個も当てはまります。実は私も鉄欠乏性貧血です。
子供の頃から低血圧症状(めまいなど)、頭痛、肩こりもありました。10年くらい前から動悸、息切れ、胸の苦しさが出てきて、心臓の不調を疑い運動負荷心電図検査もしましたが問題はありませんでした。2年前に手足の急激な痺れ、口の周りの痺れで救急車を呼び、そこで過呼吸と言われました。後日、かかりつけの内科医に過呼吸になったことを相談すると、鉄欠乏性貧血は過呼吸になりやすいと説明され、細かい血液検査をしてみて鉄欠乏性貧血と診断されました。様々な症状が実は鉄欠乏性貧血の症状だったことがようやく、ようやく、判明しました。ここまでの道のりは長かったです。
もちろん鉄欠乏性貧血でなく、心疾患や他の疾患の可能性があります。様々な検査をしても問題がない場合は、女性なら鉄欠乏性貧血を疑ってみてもいいのではないでしょうか?
血液検査で赤血球の数・大きさ、ヘモグロビン、網状赤血球(比較的未熟な赤血球)、血清中の鉄(血清鉄)、総鉄結合能(TIBC)、体内に貯蔵されている鉄の量を反映するフェリチンなどの測定を行ない、診断をします。
鉄剤の内服もありますが、吐き気や下痢、便秘などの副作用が現れることもあります。
食事療法では、鉄を多く含む食事(レバー、カツオ、ほうれん草など)を摂取する事が大切です。また、鉄分とともにたんぱく質、ビタミンB6、ビタミンB12や、鉄の吸収を良くするビタミンCもバランスよく摂取しなくてはなりません。毎日バランスの良い食事は難しいものがありますよね。当クリニックでは栄養解析やサプリメントの購入もできます!
ぜひ皆さん一緒に健康になりませんか?お待ちしています!
〈なぜなぜメモ〉
血液の中で酸素を運ぶ役割を担っているのが赤血球の中のヘモグロビンです。鉄欠乏性貧血では、酸素を運ぶヘモグロビンが少ないので、酸素をたくさん運ぼうと心臓や肺が一生懸命に働くため、動悸や息切れ、酸素不足による疲れやすさ、頭重感、重い場合は過呼吸などの症状も起きてきます。また、鉄はコラーゲンの生合成や、筋収縮に関与しており、不足すると筋線維がかたくなり、肩こり、腰痛、足底筋膜炎などの原因となることがあるのです。